
オーガニックグループ尾﨑圭子
2023年8月26日
8月26日(土)夏の日差しを浴びながら開催されました。
8月26日(土)今年は異常気象の猛暑に見舞われ、数日前からの局地的な雨予報は午後3時頃?・・・午後2時の終了予定には雨は避けられるものと判断する。それにしても集合時間の午前10時には、既に太陽光がじりじり肌に照りつけている。方角を見落とした高速チームも、飛行したのか?と思うほどの速さで定刻に間に合ったのは奇跡。ご無事で何よりでした。
最初はナチュラルファーム黄倉正泰氏の圃場へ。慣行農業では見慣れない除草機械をいくつか拝見。田植え時期からは苗の成育に伴う除草は知恵比べ。現代は除草剤が農民の作業を驚異的に軽減してくれている。水を張った田んぼに除草剤を撒き、一定期間放置してから田植えを始める。普通はその段階で始まる草の発芽はそこで止められる。同じイネ科でも稲には効かずヒエには効く優秀な除草剤もある。農業離れや高齢化で、一経営者当たりの耕地面積が増加し続ける農作業に、薬品の効率良い手段で乗り越えてきた。ところが無農薬栽培はそれを使わない。黄倉農場では田植え後の少し温まった水面に増える通称〈アオコ〉を蹴散らす太陽光自動ボート(よく畦に座礁する)。畝間の除草機は間だけでなく株周りも稲根を傷めず草だけ浮かす爪の形状に工夫・・・とか。無農薬農家のマニアックとも思われる世界。一度でも農薬を使用すればもう無農薬とは言えないし、取り戻すには10年かかるとの厳しい姿勢もある。除草は絶妙なタイミングで、草の成長の先手を取っての作業に心がける。だからこそ無農薬栽培に掛かる人手をきっちり生産費換算しなければならないのだが、労を惜しまない農業者は換算が苦手か信念の強い人が多い。(独断?)
次に訪れたのはファームトゥモロー土居健一氏のトマト農場。全部で28棟あるハウスに栽培されている有機栽培品種は【麗香】。家族3人パート15人を回す作業は効率よく、新人でも迷わず作業に就ける形態は、アナログ時々デジタルで見える化が充実されている。新たな新規就農者の受け入れにも積極的。実は大阪から北海道北竜町に移り住んだのは平成5年。農業以外の経営者として経験を積んできたので、伴うアンテナと知識は豊富で有効に実践に繋がる。田舎は流通が滞るので不便と言われるが、その不便を強みにポジティブに考えたらそれが武器になると自信を持つ。現在集荷は航空便コンテナ輸送で午前中に収穫したトマトをその日のうちに日本中に届けている。トマトは一袋に2個~5個入りで箱に詰められる。袋のシール貼りは授産施設に委託。現在は長男に経営移譲しているが、経営の関心と新たな発想は留まるところを知らない。
昼食は町で一番人気のお食事処「向日葵」で。この次はお料理をスムーズにいただけるよう予めメニューを限定予約の形に。美味しかったですね。
最終はわが尾﨑農場でのスイカ食べ比べ。「なつここあ」「月娘」「カメハメハ」「ピノガール」「金色羅王」の5種。早朝からの準備と暑さと満腹に疲れが出る午後は、採れたての冷えたスイカで目覚める。みなさん潤ったようで主催側も一安心。当農場も直接食べ比べ、感想をお聴きするチャンスは滅多にないので、来年からの栽培の参考になりました。最高の食べ頃期を見定めて最速で消費者にお届けすることを心がけています。時間がなくなったので駆け足で鶏の放牧を眺めていただく。ここのところ猛禽ノスリに鶏が襲われる被害が重なっていたからなのか、烏骨鶏たちも珍しいご来客にいくぶん緊張気味。
遠路早くから車またJRで、よく来ていただきました。オモダカやミズアオイの美しい花が稲の隙間に申し訳なげに咲く無農薬の田んぼの“豊かさ”に余韻を残し、予定通り深川駅までお送りする。帰路土砂降りに遭遇したのは3時8分。雨に当たらなくて良かった。